『鬼滅の刃』制作会社ufotableの脱税事件から考えるアニメ業界の闇
※アニメ業界については詳しくないので、この記事には妄想とか、仮定の話が入っています。間違いや追加情報があればブログのコメント欄や僕のTwitterで教えてください!
まずは2021年12月にリリースされたこの記事を紹介します。
※今回の脱税罪に問われたのは、大ヒットした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が制作される以前のことです
大ヒットアニメ『鬼滅の刃』を制作しているアニメ制作会社「ufotable」の社長が数年前に脱税をして逮捕されました。その後の裁判での社長の言葉がアニメ制作会社のリアルな叫びのようで生々しいのです。
「オファーは多数いただいていますが、最初から赤字と分かっているアニメの仕事を受けるのはもうやめました」
「アニメ業界ではヒットする作品は10本に1本と言われ、今はそれより少なくなっているかもしれません。ヒットしないとグッズも売れないし、カフェにも客が来てくれないから、必死になって作ると赤字になってしまう。アニメ制作に求められるクオリティはどんどん高くなっていて、私もスタッフもそれに応えようと懸命に取り組んでいますが、クライアントから提示される制作費が安価なため、毎回、作品を作ると必ず赤字になる。弊社はたまたまヒット作が出たからいいけど、そうでないと倒産します。何で毎回、赤字の作品を引き受けて仕事しているんだろうと思いながら、ずっとやってきました。苦しかったです」
僕はアニメを最近見るようになったんだけど、日本の漫画・アニメはとても個性的で優れていて、世界的に見ても可能性があると感じています。なので、アニメが世界で勝つにはどうすべきかを勝手に考えています。日本の漫画・アニメは海外でも人気だけど、その人気はまだまだ一部で少ないと思う。
ufotableは鬼滅の刃のヒットの前から、その作画力が評価されていたみたいなんだけど、それにも関わらず経営は難しく苦しんでいたようで、その結果、脱税をしてしまったらしい…
てか、日本アニメ業界の問題はやはり構造的な問題、著作権利者のセンスの無さが最大のネックだと思う。
日本のアニメの多くは製作委員会方式で製作していて、利益の多くがその委員会内の出版社やテレビ局など大企業に流れ、末端のアニメ制作会社にお金が回らないと言われていて問題になっています。
そして脱税事件後、ufotableは鬼滅の刃など過去の作品関連以外の作品は制作してなくて、中国のゲーム『原神』のアニメ制作をやっています。これも興味深い。
日本のアニメ制作では構造的にお金にならないので、日本のアニメ制作会社は中国など海外と組んだ方が経営的に良くなるかもしれない。海外は日本のように無意味な慣習は行わないから製作委員会なんて作らず、より多くの資金や利益が制作会社に流れるんじゃないかな?
海外の企業と組むとそれなりの問題はあると思うけど、スタッフの正社員化をしたり、ボーナスを2倍にしたりと労働者の待遇を上げようとするufotableにとっては海外の企業と組むことは当然の選択だと思う。
日本のアニメ業界が製作委員会方式を取るのは原作である漫画の著作権元である出版社が業界の慣習をなぞってしまうからなんじゃないのかな?
『エヴァンゲリオン』の制作会社カラーや、『進撃の巨人』など大作の制作を連発するMAPPAなど製作委員会方式を取らず単独でアニメを製作している会社はあるけど稀なケースでしょう。
また、新海誠監督作品のようなアニメは原作が漫画じゃないから誰にも縛られず展開できるんじゃないでしょうか?
とにかく、アニメ業界の「制作会社にお金が回らないシステム」はなんとかしたほうがいいと思います。ufotableなような優秀な会社が海外に流れてしまうよ。
おわり。