阿部将一のブログ

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アニメ『チェンソーマン』がすごすぎたので語ってみた!

漫画家・藤本タツキさんの漫画を原作としたアニメ『 チェンソーマン』の第1話が公開されました。その余韻が今も続いているほど、圧巻の第1話でした!

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僕は日本アニメが好きな外国人YouTuberのリアクション動画を見るのが好きで暇な時間があれば見ているのだけど

 

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外国人YouTuberたちの多くも『チェンソーマン』 に注目していて、原作漫画を読んでいる人もいれば、話題作という噂を聞いて見ようとしている人もいます。どちらにせよ、海外でも注目されているようで、第1話を見る限り、 彼らの期待をはるかに上回り、 世界に衝撃を与えたことに間違いはないでしょう!

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圧倒的クオリティのOPに世界中から絶賛の声!【チェンソーマン】【海外の反応】|日本語字幕付き| - YouTube

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■オープニングに込められた映画愛

僕は『チェンソーマン』の漫画版を読んでるから先の展開が分かるので、 アニメ版のストーリー自体にはそれほどの感動はなかった。作画にも驚いたが制作を担当したMAPPAには『進撃の巨人』 や『呪術廻戦』 でそのクオリティの高さを見せつけられているので「 またやりやがったな!」というくらいの感動だけだった。

だけど、『チェンソーマン』のオープニング(OP) には驚愕した!最初に目にした時の感想は「 ワクワク感ハンパない!」だ。「楽しそう!」「スリリング!」 という期待や刺激があふれるほど、あのOPには素晴らしかった!!

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僕は原作を読んでいるのでOPに登場したキャラクターが誰なのかを知っている。原作を読んでいないアニメ派の人たちは誰が誰なのか分からないだろうが、知っている者からすると各キャラクターの特徴が出ている OPになっているので、ストーリーが進んでも何回でも楽しめるOPになっている。これは同じくMAPPAが制作した『進撃の巨人 The Final Season Part 2.』や『呪術廻戦』のOPと同じかもしれない。彼らのOPの作り方には脱帽だ。繰り返し何度でも見れる圧倒的なクオリティ!🔥

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ところで、最初に『チェンソーマン』のOPを見た時に違和感が一 つあった。それがこのシーン。

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女の子のキャラクターが背中を向けて机から降りようとしている。この女の子は原作派たちからの人気が高く、 のちのちテレビ派にも人気が出るであろうキャラクターなので、 顔を見せていないのはおかしいと思った。しかも、このシーン、なんか見にくい。こういう構図には普通ならない。 正面からの画にしてキャラ全員の顔が見えるように描けばいいのにそうしてない。だから僕には違和感があった。逆に考えれば、 何かしらの意図か理由があるのだろうと思った。

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そして放送後のTwitterを眺めていたら、 その回答を多くの人がしていた。藤本タツキ、やりやがった!!! (このOPにタツキ先生がどれほど関与してるかはわからんけど)

そうなった理由は、 映画をオマージュして同じカットを使用しているからだった。

詳しくはこのツイートを見てほしい。

僕も映画はたくさん見てきたが、このオマージュリストを見ればタツキ先生がどれだけの映画オタクかはよく分かる。タランティーノ率が高いのが映画オタクっぽい笑。普通「貞子vs伽椰子」をオマージュしようと思わない笑笑! センスというか、ユーモアがすごい!このOPを最初に見た時から黒スーツ姿の主人公たちはタランティーノ作品の『レザボア・ドッグス』っぽくもあるなと思ってたけど!

f:id:shoichi_abe1024:20221013224255j:image※『レザボア・ドッグス

 

で、OPの序盤は数々の映画をオマージュしたシーンを『 チェンソーマン』 の登場人物たちが映画館で見ているという設定だ。タツキ先生、 どんだけ映画が好きやねん!

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で、この映画館のシーン。 のちのちの物語で登場するキャラたちが出ていて漫画派としては興奮ものなのだが、特に興奮するのが、 強気の女の子が弱気の女の子から座席を奪っているシーン( まだ1話しか放送していないため名前は伏せさせてもらう)。 漫画派の人なら分かると思うが、 このシーンはキャラクターの性格をよく表しているので胸熱シーンなのである。そのほかにも仕掛けがたくさん詰め込まれ、ストーリーを知っている漫画派も興奮するほどのOPに仕上がっていて最高なのだ!

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ちなみに、オマージュされているのは映画だけではなく、タツキ先生の過去の作品をオマージュしているシーン(OP終盤の爆破シーン)もあるという大天才的な仕掛けがされている。 自己オマージュ。しかもこれ、2回目の自己オマージュなのだ。

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最初に描かれた爆破シーンは藤本タツキ著 漫画『さよなら絵梨』

1回目の自己オマージュ

漫画『チェンソーマン』第2部

2回目の自己オマージュ

アニメ『チェンソーマン』OP←今ココ

 

同じようなシーンを自分の作品で3回も使用している!これにはワロタwwwww ユニークさが天才すぎる!!!

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で、僕が最初にこのOPを見た時に一番感動したのがボウリングのシーン。映画好き、80年代90年代のハリウッド映画を愛している人間ならば、 映画とボウリングに強い繋がりがあることを感じるだろう(たぶん)。古き良きアメリカのエンタメ=ボウリングみたいな!ボウリングのシーンが印象的な映画というと『バッファロー'66 』『ディア・ハンター』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 などなど!(あんまり思いつかないw)そして『 チェンソーマン』のOPでオマージュされている『 ビッグ・リボウスキ』だ。

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なので、映画好きからすると、 あのボウリングのシーンは昔に戻ったような懐かしい感覚になり、 心にしみてしまうのよ。

 

↑普通アニメとかが制作される時、〇〇製作委員会みたいなものが作られるんだけど『チェンソーマン』ではそれが無いらしい。テレビ放送枠もMAPPAが買ってる?とかで、アニメ制作システムにも新しい風を吹き込んでる!

↑意味深なシーンたち…。寄生虫の意味にはビビった…

 

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藤本タツキ作品から感じる映画の香り

 

そういうわけで、OPだけ見てもタツキ先生の映画愛は強く感じるが、彼の過去の作品『ファイアパンチ』『さよなら絵梨』なんて、 物語中に思いっきり「映画」が出てくるので、その映画愛は尋常じゃない(ちなみに僕は『ファイアパンチ』での「映画」の使い方に衝撃を受け、タツキ先生は天才だと思った)。あと、物語の要素としてだけじゃなく、タツキ先生のコマ割りや画の描写に映画を感じられるし、映画の香りがする。

タツキ先生の物語は、僕が映画に出会った時、映画にハマっていた時に感じた「未知のものに出会った感動」や「 人間という生き物のはかなさ」を感じさせてくれる。

f:id:shoichi_abe1024:20221013230416j:image※これは煉獄杏寿郎です

 

現代のあらゆる作品には「この先どうなるか分からない」 というスケール感が大きいものが少なく、 予定調和のものが多いなと感じる。そんな中、 先の読めないスケールの大きい物語であるタツキ先生の作品は僕を最高にワクワクさせてくれる。そしてタツキ先生はそのスケールの大きさとは対照的な、人間の内面を奥深く描く作品も作る人なんだから称賛するしかな いですね。

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ちなみに、タツキ先生の天才ぶりを知ることができる驚愕エピソードを共有しておきます。僕はこれを知った時、「あ、 この人はヤバい天才の部類の人だ」と思いました。

 

“中学生の頃から、脳内で雑誌を作り、 面白くない作品を打ち切り定期的に入れ替えつつ、 自ら考案した漫画を約7本同時に連載していた。 連載が最終回を迎えたときは、感動で涙がこみあげたが、 授業中なのでこらえたこともあったという[8]。 新人漫画家時代にも依然として約5本の作品を脳内で連載しており 、中には単行本15巻ほどの分量で完結した作品もあった”(Wikipediaより引用)

 

これを知った時の驚きは、漫画『ブラック・ジャック創作秘話~ 手塚治虫の仕事場から~』 を読んだときに感じた手塚治虫さんのヤバすぎる才能を知った時の感覚に似ている。

この漫画では、 仕事で海外にいる手塚さんが電話の指示だけで原稿を描き終わらせるというエピソードが語られます。手塚さんは電話で「〇〇の何ページに書いた○コマ目の背景と、〇〇の○ページの○コマ目の背景を組み合わせて〜」などとスタッフに伝えます。手塚さんはすべての作品の画を暗記していたんです!

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驚愕の才能。ていうか、もうこれ才能なのか笑?人間とは思えない!! そんな驚愕さをタツキ先生にも感じてしまうんですよ!

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MAPPAのクオリティ

 

さて、アニメ『チェンソーマン』を制作しているのはMAPPAというアニメーション制作会社です。MAPPAといえば『進撃の巨人 The Final Season』『呪術廻戦』 という超話題作のアニメも担当しています。

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そんな話題作を一体どうやって連続して請け負っているのか興味があるところですが、よく分かりません。アニメ初心者の僕からするとMAPPAの驚くべき作画力には感心してしまいます。なめらかな動きに情緒的な風景、そして迫力あるアクションシーン。この表現レベルは実写作品が与える感動と大差ないと思う。だから、MAPPAには海外の「アニメは子供が見るもの」 という固定観念をぶっ壊してほしいと思っています。ちなみにWikipediaによると、MAPPAはアニメ『この世界の片隅に』 を作るために設立されたらしく、それもまた面白い。

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f:id:shoichi_abe1024:20221013232345j:imageMAPPAは雑誌「SWITCH」で特集されたことも

 

■作画の良さだけで作品の良さは決まらない

 

普段、映画の濃厚レビューをしているYouTuber"おまけの夜"さんが、アニメ「チェンソーマン」のレビューを配信していました。映画愛が詰まった藤本タツキ作品を映画マニアはどう見るのだろうか?と興味がわきましたね。

 

【アニメ】OPから飛ばしてる!チェンソーマン1話感想レビュー!【おまけの夜】 - YouTubef:id:shoichi_abe1024:20221013232743j:image

"おまけの夜"さんはタツキさんの映画愛とMAPPAの作画力を絶賛すると同時に「神作画=面白い」 というわけではないと語りました。

これには全く同感で、作画はあくまでも「 原作の良さを増幅する装置」です。映画を批評する時でも、 歯を抜いたり減量する俳優が絶賛されたり、 撮影技術がすごいとか言われることがありますけど、 それは本編や原作が面白いのが前提で語られるべきだと思います。どんな演技や演出も脚本が面白くないなら意味がないです。あくまでも脚本が作品の命だと思います。

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ただ、チェンソーマンも、さらには進撃の巨人も、呪術廻戦も、原作を読む限り、今後の物語が面白いことは確定しているので、そのアニメ作品には期待しかないし、これらのアニメ制作をするのは神作画で定評のあるMAPPAなんだから名作になることは確定してますね!

 

そして"おまけの夜"さんは「 漫画版のような迫力ある表現に期待している」と言っていましたが、 漫画ならではの表現をアニメで表現するのはなかなか難しい。 漫画特有の見開き絵の迫力とか、コマ割りとか。 これは漫画の方が優れているという話ではなく、漫画・ アニメそれぞれに良い点があるということです。そして、漫画でしか味わえない感動があることは藤本タツキ作品の特徴でもあるので、タツキ先生の作品は漫画もアニメも見ることもオススメします!

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MAPPAが他のアニメ制作会社とは違うところ(たぶん)

 

そしてMAPPA神作画で賞賛されてるけど、 僕は彼らのセンスの高さに注目しています。明らかにセンスがいい。 それは音(効果音や挿入曲)の使い方や画の見せ方に感じます。制作会社がどこまで介入できるのかは知らないですが、進撃の巨人や呪術廻戦のOPや、主題歌・エンディング曲・挿入曲の選曲にセンスの高さを感じます。そしてチェンソーマンのOPにもその高いセンスが凝縮されていますね。

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※その高いセンスの例が『進撃の巨人 The Final Season』「暴悪」リヴァイvsジークのシーンで使われたロ ック調の「K21」や、『呪術廻戦』24話で虎杖悠仁と釘崎野薔薇が交互にスイッチングした時に使われた曲「REMEMBER」 ですな(この演出にはしびれた!!)

 

■これがオールジャパンだ!

 

最高のシナリオ

最高の制作会社

最高の声優

最高の音楽

最高のセンス

 

が、集まったオールジャパンなアニメ『 チェンソーマン』。

僕は日本アニメには「HIPHOP」 になってほしいと思っています。HIPHOPを知らない人にはわか らないかもしれないけど、いま世界で最もカッコよいカルチャーはHIPHOPです(ずいぶん前からだけど)。だからHIPHOPのようにアニメを見てることがカッコいいみたいになってほしいです。その可能性を『進撃の巨人』『呪術廻戦』 をはじめとする近年の日本アニメに感じるし、『チェンソーマン』 はその最前線にいると思います。

f:id:shoichi_abe1024:20221013234550j:image※『チェンソーマン』は、米国コミック業界で最も古く、最も権威のある賞の一つ「ハーベイ賞」2021の「ベストマンガ」部門を受賞

 

そして漫画やアニメにはSFから恋愛、ホラー、スポーツ、料理、日常生活ものなどなど、あらゆるジャンルがあります。このジャンルの多さは世界中のあらゆる人に好かれる可能性があります。

そして漫画雑誌システムによって編集者が関与することで漫画は作品としての熟成度が上がります。さらに、日本には漫画やアニメを見るという習慣があり、積み上げてきた歴史があります。だから、日本の漫画・ アニメは圧倒的なクオリティが出せる。

僕はそのクオリティで映画の本場ハリウッドをぶっ倒して欲しいと思っています!ハリウッド映画を見ている層をアニメを見る人たちに変えてほしい 。その革命の狼煙が『チェンソーマン』になれば、 映画好きのタツキ先生によるハリウッドへの恩返しにもなりますね笑!

 

おわり。