阿部将一のブログ

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【ネタバレなし】映画『THE FIRST SLAM DUNK』の感想

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バスケットブームを巻き起こした漫画・アニメ『SLAM DUNK』。その映画が公開されることになり、大きな話題になっていますね!

【THE FIRST SLAM DUNKに漂う不安感】

近年のアニメは『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』、『呪術廻戦』などの大ヒットもあって、すごく勢いがあります。それは海外も同じなんだけど、SLAM DUNKはあまりにも神作品なのもあって不安だらけです。公開された予告編を見ても絵のタッチが今までのSLAM DUNKの漫画やアニメとは違いすぎるので、より不安になります。

しかも、声優が昔のテレビアニメの声優陣から総変更されたようで、ファンの間で激震が走りましたw

僕は声優にそこまでのこだわりがなかったので、本編を見るまではそこまで気にしてませんでした。本編を見るまでは…

ちなみに、主題歌などの変更も世間はザワついてましたw

テレビアニメ時代に使われた曲である

BAAD「君が好きだと叫びたい」

大黒摩季 「あなただけ見つめてる

WANDS世界が終るまでは…

MANISH「煌めく瞬間に捕われて」

ZARDマイ フレンド

が、流れたら僕はその時点で大号泣です(この記事を書いている今もZARDの「マイ フレンド」を聴きながら書いていますw)。しかし、まあテレビアニメから時間がかなり経ったので楽曲の変更は仕方ないと思いました。本編を見るまでは…

 

で、平日昼間の人が少ない時間を狙って見に行ってきました!東京・日本橋のTOHOシネマズで見たんだけど、予想以上に人が少なくて、かなりリラックスして見ることができ、最高の環境でしたw

で、感想ですが、簡単に言うと

 

「公式の二次創作作品」

 

でしたw

 

見に行くか迷っていた僕はTwitterで映画を見た人の感想を読んでから行きました。この映画を見た芸能人は忖度した褒めることしか言わないので彼らのツイートは無視して、一般人のツイートを読みました。ネタバレしない程度で言うと「原作とは別の作品」と思った方が良いです。追加された作品、続編だと言う人もいました。

しかし、それでも高評価の人が多かったので「仕方ねえ、見ておくか」と思い、見に行ったわけです。原作漫画であれほどの感動を与えてくれた作者・井上雄彦さんに映画チケット1900円を寄付するつもりで行きました。期待値をかなり低めにして。この期待値をかなり低めにしたことで、僕は案外楽しめましたwww

NBAプレーヤー・渡邊 雄太さんも注目!)

 

まず数少ない良かったところから。というか、2点だけ。1つ目は最初のシーンの対戦相手が出てくるところです。ここは井上雄彦さんの漫画のようなタッチで描かれます。このシーンにはゾクゾク感があり、全身に鳥肌が立ちました!「おい、もしかしてすごい作品なんじゃないか?」と期待させてくれました!この表現方法で全編やってほしかった…

そして2つ目は試合最後のシーンです。こちらも表現を変える演出をしており、とてつもなかったです。

ただ、2時間近くの作品で良かったのはこのわずかな2点のみ。原作者の井上雄彦さんが監督をしていて、なぜこうなったんだ?って思いました。しかし、意図は分かります。昔の栄光にすがってないで新しいものを作りたかったのでしょう。

たしかに、原作の物語を別視点で見ている感覚はあって、観客視点で見ている感覚を表現したかったのかもしれません。

しかし、こっちからすると、そんなもんは必要ないです。原作通りのものを見せてほしかった。もし原作通りの作品だったら、僕は涙を流しすぎて死んでいたかもしれません笑。

とはいえ、大きく変更された今作品ですが、所々泣いてしまいました。これは今作品が良かったからではなく、原作があまりにも良すぎるためで、原作を思い出して泣いたわけです。

 

では何が悪かったのでしょうか?まとめていきたいと思います。

①原作の名シーンがカットされたり、原作と違うカットで描かれている

今作品が原作とは違う描き方をすることを前提に作られてるっぽいので、こうなるのは当たり前なのかなって思うけど、これはかなり残念です。そして原作を読んでないと名シーンや名セリフに気づかないし、表現がさりげなさすぎて原作を読んでいても気づかない可能性もあります。原作を読んでない外国人にはまず気づかれないでしょう。

 

②音楽もダサかった

これは人によると思うけど、僕には音楽がダサいと感じました。最近のアニメ、特に進撃の巨人や呪術廻戦、チェーソーマンなどを見ると、音楽がアニメや時代とマッチしていて、かなり素晴らしいです。それに比べると映画スラムダンクの音楽はダサいです。なんか、昭和っぽい音楽でした。試合の緊張感をあおるためにゾクゾク感を出したかったのだろうけど、子供ダマシのような音楽でした。

ただし、オープニング主題歌 The Birthdayの『LOVE ROCKETS』はヤバかった!これ調べたら元THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、ROSSOのチバユウスケさんのロックバンドやん!これはあかん!オープニングでこの曲と手書きの演出は震えますね。しかもこの曲は湘北の悪ガキ感が出てて最高です!

youtu.be

③絵のタッチが嫌だ

今作では3DCGが終始使われています。3DCGだからこその迫力を感じる時もありますが、井上雄彦さんといえば、やはりあの手書き感でしょう。

news.yahoo.co.jp

井上雄彦さんは手書きへのこだわりが強いように思えるんですけど、特に筆で描かれた絵は素晴らしく、もはや極上のアートです。

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スラムダンク』や『バガボンド』は電子書籍で販売されておらず、そこまでして手書きや質感にこだわってるのかなって思ってました。

そこまで思い入れがある人がなぜ3DCGにしたのか、よく分かりません。やはり迫力やリアル感を強調したかったのでしょうか?

でもアニメはリアルさを求めすぎなくても良いと僕は思っています。リアルだから感動するってわけでもなく、立体的ではない二次元でも人々を感動させるのが漫画やアニメの素晴らしいところだと思っています。

最近だと『鬼滅の刃遊郭編の宇髄天元と妓夫太郎のバトルシーンはCGも使ってるだろうけど、二次元的な表現としては最高だと思います。

③やっぱり声も違うかな

公開前に炎上?さえしていた声優陣の総変更。やはりこれはかなり効きましたw ゴリとか、リョータとかは良いんだけど、やはり主人公・桜木花道の声には違和感しかなかったです。違和感があるので作品に没入してたのに我に返っちゃうんですよね。前の声優陣では無理だったのかな?

④オリジナルストーリーはそれほど悪くなかったが、ラストに違和感

今作品には大きな追加、というか舞台裏?バックストーリー?が加えられています。だからこそ、原作の多くのシーンを削ったのでしょう。で、その追加ストーリーはそこまで悪くなかったです。しかし、原作の名シーンを削るほどではないですね。やはり、あまりにも原作のストーリーが良すぎます。そして最後の最後にも違和感がありました。まず時間軸がおかしいのと、原作とは違った結末だったことです。それはそれで面白いんだけど、「でもおかしくね?」ってなります。

(鑑賞後としては、この絵の意味も分かりますw)

 

⑤制作陣の人たち、スラダンなめてんの?

僕が事前に見た今作についてのツイートの中に制作陣のインタビューを取り上げたものがありました。それを読んだ感じだとスラムダンクをなめてるような発言とも取れる内容でした。  そんで今作を見て「ああ、なめてんな、これ」と納得しましたw

 

ということで、忖度なしの感想でした。評価としては100点中50点です。Amazonプライムビデオで見た『シン・ウルトラマン』の方がリメイク作品としては面白かったです笑。

原作通りの映像化を期待してる人なら、おそらくガッカリするでしょう。しかし、『スラムダンク』を愛する者として見ておいて良かったと思います。そんなバックストーリーあったんやなと。だからこそ「公式のニ次創作」と呼びます。

それにしても、たとえ3DCGだとしても原作通りに映像化してくれれば、僕は滝のように何度も泣いていたでしょう。それくらい原作漫画が素晴らしすぎます。しかし、今回の映画化によって原作通りの映像化は2度とないでしょう。もし、原作通りの表現で作られていたら、海外でも爆発的な賛辞を得たと思います。それだけがとても残念です。

あと、『バガボンド』の連載も早くしてね!言い方は悪いけど、こんな映画作ってる時間があるなら『バガボンド』を完結させてほしいです!

 

ということで、ほな🙋‍♂️

 

おわり。

 

映画を見て、むしろ、漫画の新装再編版が欲しくなった…