阿部将一のブログ

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【ボクシング】村田諒太vsゴロフキンを見て

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すごい一戦だった。

 

僕はボクシングについてよく知らないし、試合もそんなに見たことがない。それでもミーハー的に以下の試合は見た。

 

フロイド・メイウェザー・ジュニア 対 マニー・パッキャオ

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メイウェザー対マクレガー

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井上尚弥戦をいくつか

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ボクシングを普段見ないからこそ、ボクシング観戦は新鮮で、学びがある。最初にメイウェザーを見た時には驚いた。彼は50戦50勝で、史上初めて無敗のまま5階級制覇を達成した。だからこそ、史上2人目の6階級制覇王者であるパッキャオとの試合はすごいんだろうと思って、当時そのためだけにWOWOWを契約して見た。ちなみに、この世紀の一戦は2人のファイトマネー(選手が受け取るお金)が合計400億円だったらしいw

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それだけの選手たちなのだから、すごい撃ち合いになるのだろうと思って見始めたら、全然違くて驚いた。パッキャオはアグレッシブにパンチを放っていたが、メイウェザーは守ってばかり。ただし、あまりにも鉄壁でパッキャオのパンチがまるで当たらない。結果、判定でメイウェザーが勝った。僕はこの試合を見て「ボクシングはパンチをどうやって当てられないようにするかのスポーツ」なんだなと理解した。(そうとは限らないとは思うが)

さて、村田諒太vsゴロフキン。そのメイウェザー戦で感じた「新しい何かを感じる感覚」をゴロフキンも感じさせてくれるような気がしたのでワクワクした。また、村田選手はかねてよりゴロフキンと戦うことを希望しており、Amazonプライム・ビデオで配信している彼のドキュメンタリーでは「今までの相手はどう負けないかを考えていた。ゴロフキンは間違いなく自分より強い。だから楽しみですよ」というようなことを言っていた。自分のすべてを出し切れる相手に出会えたことを喜んでいるようだった。

↑ゴロフキン戦を熱望する村田選手

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Amazonプライムビデオのドキュメンタリー番組

 

そして、ゴロフキンについてはほとんど何も知らなかったが、とても礼儀正しく、村田選手をリスペクトするという器の大きな人物だった。メイウェザーのようにトラッシュトーク(対戦相手を言葉でののしること)をする王者も好きだが、ゴロフキンのように誠実な王者も良い。ただし、試合になるとゴロフキンは殺し屋になる。

試合が始まる前にこんな記事を読んだ。ゴロフキンがどういう人間かがわかる貴重な記事だ。

村田諒太に勝機は…? ゴロフキンと拳を交えた淵上誠と石田順裕の“証言”「計量時にこれはヤバイと」「石で殴られているかのよう」 - ボクシング - Number Web - ナンバー

"(ゴロフキンは)笑顔で私の手を両手で握ってきたんです。あ、ものすごく余裕があるなと。この人は絶対に強い。これはヤバイと初めて思いました"

 

ゴロフキンはどこまでも真っ当な人間なのである。まさに王者にふさわしい人物だ。

村田諒太vsゴロフキンはAmazonプライム・ビデオで独占配信された。最近はDAZNサッカー日本代表のアウェイ戦の放映権を、ABEMAがカタールW杯の放映権を獲得していて、テレビ局が人気スポーツの放映権を買えない時代になってきた。テレビ局の力が落ちてきてるなと感じる。今回の試合はAmazonがスムーズに配信していて、別にテレビ局じゃなくてもええやんと思ったし、Twitterでもそういう投稿をしてる人もいた。

 

さて、いよいよ、試合が始まる。

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村田選手もゴロフキンも落ち着いているように見えた。その静けさが逆に何か起きそうという緊張感を高めていた。

試合序盤は村田選手が攻めていて、ゴロフキンの腹に何度も右ストレートを当て、実況者も「ゴロフキンが嫌がってます!」と何度も叫んでいた。でも僕は「確かに村田選手はボディに当ててるし、ゴロフキンとしたら当てられるのは嫌だろうけど、そんなにダメージがあるだろうか?むしろ、"石で殴られているようだ"と言わせるほどのゴロフキンのジャブやフックを村田選手は顔を当てられている」と思っていた。実際、そのダメージの蓄積によって試合は決まる。

 

序盤は良かったものの、中盤あたりから村田選手の手数が減り(スタミナ的に仕方ないのだが)、逆にここぞとばかりゴロフキンがペースを上げてきて、クリーンヒットはないものの、ゴロフキンのパンチが村田選手の顔に当たる回数が増えてきた。メイウェザーも同じなのだが、彼らは判定を含めた12Rという長期戦でどう勝つかを考えている。とても巧みであり、自分の力量を熟知し、そして今までの経験が活きてくる。あー、まずいなあと思っていたら、9Rに決着がついた。

見た目的にはそこまでダメージを受けているようには見えない村田選手が、ゴロフキンのパンチを受けつつも意地でパンチを返したりしていて、さらに「おおお!もしかしたら勝てるかも!」とさえ思わせるようなラッシュもあったが、しかしやはりそこはミドル級最強の男・ゴロフキン。ダメージにならないようにディフェンスしていた。そして、その時を迎えた。

ゴロフキンの右フック?が村田選手の顔をかすめたかのように見えた瞬間、村田選手は膝をついた。プロ人生初のダウンだ。それでも、それほどダメージがあるようには見えなかったが、村田選手側のセコンドがタオルを投げた。その瞬間「なんでだよ!」とは思ったが、すぐに村田選手のダメージの蓄積が大きいことを悟った。ここまでのラウンドまで、村田選手は苦しそうだったが、視聴者より遥かにセコンドが「これはヤバい」と思ってたんだろう。だって、タオルを投げたくないと1番思ってるのはセコンドの人たちだもん。その人たちが無理だと判断したのだから無理なんだろう。そして逆にゴロフキンは息が上がってはいたものの、終始まったくダメージあるようには見えなかった。

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↑村田選手のインタビュー時に後ろにいるリングガールが涙目になっていて、もらい泣きしてしまったよ😭

そのリングガールの涙は記事にもなってました笑

村田諒太の世界戦 涙ぐむリングガール「一生の宝物」視聴者も感激(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュースf:id:shoichi_abe1024:20220410092223j:image

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試合後に「なぜ村田選手側のセコンドはタオルを投げたのか?」を正確に知りたくて、調べて見たが、村田選手自身も、海外のボクシング記者も「あのタオルは正しい」と答えていた。村田選手は試合直後のインタビューで「とにかく2人とも無事にリングを降りれて良かったです」と言っていた。村田選手の蓄積したダメージは生死に関わるものだったのかもしれない。村田選手の疲弊具合からもそれを感じさせる。

【参考記事】【ボクシング】村田諒太「タオルを投入したのは知らなかった」9回TKO負け/一問一答 - ボクシング : 日刊スポーツ

f:id:shoichi_abe1024:20220410101221j:image↑『はじめの一歩』の森川先生もツイート!

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試合を振り返ると、村田選手はリング上で最高の幸せを、生きている実感を感じていただろうと思う。自分の全てをぶつけられたのだからね。


そして僕たちは学ばなければいけない。この試合を見た者はゴロフキンがなぜあれほど強いのかも考えるべきだ。「村田選手、残念」ばかりではあまりにも単細胞だ。この試合を糧にするべきだ。僕たち各人がそれぞれの場所で村田選手から学んだものを活かすべきだ。

そして、「残念」「頑張った」という言葉だけでは終わらせてはいけない出来事が2018年にも起きている。それはサッカーのロシアW杯だ。日本は決勝トーナメントでベルギーに大逆転で負けている。

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村田選手vsゴロフキンは、サッカー日本代表vsベルギー代表と同じで、「やりあえる箇所もあった」「勝てていたかもしれない」と思わせる試合で、「次は勝つ!」と思うべき試合で、「日本人は世界に誇れる人種だ!」と思うべき試合だ。

あらゆるジャンルで言えることだが「世界最高レベルと善戦して良かった!」という時代は終わっている。欧米だろうが、世界最高だろうが「本気で勝ちに行く」「傷跡を残す」というようなアグレッシブさが日本人には必要だと思う。外国人にペコペコする思考はもうやめるべきだね。

村田選手の試合でその勇気をもらった気がする。

 

おわり。